2012年9月29日土曜日

収録曲④『敗走詩集』セルフライナーノーツ

僕の部屋は時間によって聴こえる音が違うので、一日中寝っ転がってても飽きがこない。そのせいか、ボーッとしていると、平気で月日が経ってしまう、という大変危険な物件となっております。

そんなこともあり、外に出かけることにした。昔、住んでいたアパートと近いこともあって、当時毎晩のように通った井の頭公園に再び行くようになった。

悲しい恋を中心にいろんなことを思い出しながらギターを弾いた。
当時作った曲を、ずっとお気に入りの場所で録音。

収録曲⑥『うるうる星人』セルフライナーノーツ

ひさしぶりの雨が東京に降った夜。
池の周りを歩いていくと、葉っぱに囲まれた休憩所のようなところがあって、小雨ぐらいなら何とか凌げる。葉っぱのルーフから零れる雨粒に頬を打たれつつ録音。
夜明けの水たまりが朝日を浴びてとても綺麗だった。

2012年9月21日金曜日

収録曲②『フォークダンス』セルフライナーノーツ

麦茶を飲んでいると、遠くで花火の音。急いでベランダに飛び出すと、風に乗って微かな火薬の匂いがした。ICレコーダー、名付けて"ツブツブホイホイ"のRECボタンをポチッと押した。

去年の12/24から始まった朗読劇『銀河鉄道の夜』。東北を廻ったツアーでは、ホールだけでなく、仮設住宅の集会所や屋台村など、様々な場所で主題歌『フォークダンス』を歌った。同じ歌のはずなのに、すべてが違って聴こえた。
それ以来、すべての音がかけがえない粒々のような、、そんな気がしてくる。東京に帰ってからも、ずっと、日々の粒々に耳を澄ましている、そんな気持ち。

明日、再び銀河鉄道に乗り込む。初日の夜は春ツアーと同じく大船渡の集会所へ、そして翌日から三日間の公演が続く。岩手、宮城、福島。どこか、ベランダで、またホイホイできればいいな、と思う。

2012年9月17日月曜日

収録曲⑦『マジックアワー PART3』セルフライナーノーツ

明け烏が響く中、公園の池に架かる橋に座ってレコーディング。
12弦ギターのチューニングは時間がかかる。8弦目がようやく終わり、ふと視線を感じて顔を上げると、ジャージ姿の老人がこちらを見つめている。近隣の住民?気になりながらも、残りの弦をチューニングして、再び顔を上げるとすでに老人は消えていた。吉祥寺在住の仙人だったのだろうか。。
もし話しかけていたら、杜子春的な何かが始まったのかもしれないなあ、と、それが今回のアルバムレコーディングで、唯一の心残り。

2012年9月6日木曜日

収録曲①『パークロカ』セルフライナーノーツ

杉並の自宅にて、窓を開けて、カーテン越しに録音。
線路沿いの僕の部屋は、ドア越しの電車の音と、窓からの道路の音を同時に聴くことができて、大変お得な物件となっております。

the coffee groupのアルバム『ワンコインからワンドリップ』にも収録のこの曲は、僕の中では古い、上京当時からの曲で、今回が初のフルバージョン。「
パークロカ」という言葉は、『ワンコイン〜』制作時、僕が住んでいた世田谷の駅名にちなむもの。いろんな街をさまよい続けたこの曲も、古川日出男さんに名前を付けてもらったことでついに完成。

2012年9月3日月曜日

【制作日誌】PV撮影3

一昨日9月1日はPV撮影。立川駅からバスに乗り、小平にある住宅街のアパートの一室に行ってきた。
監督は朗読劇『銀河鉄道の夜』や、昨年の『東へ北へ』で素晴らしい映像を制作してくれた河合さん。

部屋に着くと、撮影チームは突然降り出した大雨への対応でかなり大変そう。具体的に何がどう大変なのか、実はよくわかってなかったが、光とか照明とか、そういう系のあれだと思った。

最近の僕は、年々ひどくなる口内炎のことについて悩んでいたけれど、目の前の大変さに比べれば、些細なことかもしれない。あんまり痛い痛い言ってちゃいけないな、と自戒しながら、僕も少し険しい表情をしたりして真面目な雰囲気を作ってみた。

その後は雨がやんで、晴れて、また降ったり、いろいろあったけれど、無事に撮影は終了。みなさん、おつかれさまでした。全員の肩を揉みたい気持ちです。

2012年9月1日土曜日

収録曲⑤『しごとのうた』セルフライナーノーツ

静岡県の実家にて。テープレコーダーからUFOの音を出しながら、H4nで録音。
この日は、ささいな操作ミスで、その日一日分の録音データを全消去してしまい、ショックからしばらく布団に突っ伏すという異常事態に突入。ハイパーメディアショックであった。
そんなわけで、布団の上で数時間を無駄にしたけれど、ふて寝の効用なのか、起き上がって一発目に録ったテイクが結果的に一番いいものになった。

ちょうど録音が終わった頃、仕事が早く終わった親が家に帰ってきた。どちらからともなくなんとなく乾杯。