2012年11月10日土曜日

「サマーライト」と「馬たちよ、それでも光は無垢で」

「サマーライト」@O-NEST
ANIMA with 益子樹(ROVO)+ 古川日出男
の動画がアップされました!
http://www.youtube.com/watch?v=WBzQqqWs9Lo

先月13日のレコ発のアンコール、120分間を歌った夜の最後の一曲です。
アンコールに何の曲をやろうかと古川さんと話していたとき、どちらからともなく"サマーライトをやろう"と呟いたような気がします。このステージで2人でサマーライトを歌うこと、共演の経緯を少しだけ書かせて下さい。

昨年3月、ANIMAは益子さんプロデュースのもと、アルバムをリリースしました。今回と同じ会場O-NESTで企画していたリリースパーティーは震災の影響を受け、延期となり、一か月後の振り替え公演のアンコールで歌った曲がこのサマーライトです。当時の様々な葛藤の中、この歌を歌うことに決めて、それを客席から全身で受け止めてくれたのが古川さんでした。
動画の中で、古川さんが朗読している『馬たちよ、それでも光は無垢で』の一節は、この日の様子を書いてくれたもので、この本が存在していることが、僕を今、マイクに向かわせる大きな理由の一つでもあります。

それから一年以上が立ち、同じO-NESTのステージで、『馬たちよ、それでも光は無垢で』がスピーカーから放たれ、僕らは再びサマーライトを歌いました。それは時間を超えたような不思議な体験でもあり、でも僕らがずっと前からここに立っていたかのような、、帰るところに帰ってきたような、とてもあたたかい感覚でもありました。動画を観ながら、本当に素晴らしい時間だったんだな、と感動しています。

改めて、この場にいてくれた(念とかテレパシーとかそういうのも含めて)すべての方にお礼を。皆さん、ありがとうございました。
明日のインストアも、これからも、しっかりとマイクに向かいます。よろしくお願いいたします。

2012年10月14日日曜日

ありがとうございました。【CD発売イベントを終えて】


昨夜のCDリリース記念イベントにお越し下さった皆さん、本当にありがとうございました。
その他にも、遠くからや、都内の様々な場所から応援を下さった皆さん、ありがとうございます。

HEADZANIMAのサンプルCD「シーラカンス」を送ったことから始まって、NESTでリリースパーティーをしたのが、2009年の夏。
益子さん、古川さん、木下さん、detune.SUBMARINE、雄介さん、杏奈さん、めいりんさん、他にも様々な人たちに出会い、たくさん刺激を受け、勉強させてもらって、気づけば銀河鉄道に乗っていて、そこでもかけがえのない仲間ができ、銀河の車輪の回転の勢いそのままに、昨日NESTのステージに戻ることができました。

ソロ1stアルバムのリリースイベントということで、自分の活動の集大成的な内容になりましたが、一つ一つの形態は違えど、目の前のマイクはずっとそのままで、そこに向かって誠実でいたい、と思う気持ちは3年前と変わりません。

むしろ、冷静に考えると、僕はただただ目の前のマイクにどう向き合うか煩悶してるだけで、それを音楽という形にしてくれたのは、メンバーだったり、スタッフだったり、仲間だったり。僕はいろいろな場面で、最高の仲間、理解者に恵まれて、助けられて、次のステージに導いてもらって、またマイクの前に立つチャンスをもらう、そんな数年間だった気がします。

昨夜、アンコールのサマーライトで、ステージから見えた景色は本当に美しい景色でした。続けていてよかったな、と思いました。仲間と一緒にこの景色を見れてよかったな、と思いました。

これからも僕は相変わらず懊悩煩悶してるだけで、はたから見れば、まどろっこしく、じれったい部分も多々あると思いますが、去年よりは今年、昨日より今日、みたいな感じで少しずつですが何かしら成長してるような気もしてます。『小島敬太』のジャケットの通り、亀の歩みですが、マイクに向かって誠心誠意歌い続けたいと思います。今後とも何卒よろしくお願いします。

小島ケイタニーラブ
2012.10.14

P.S.誕生日祝ってくれた皆さん、ありがとうございました。大好き!

2012年10月10日水曜日

収録曲⑧『十五夜バタフライ』セルフライナーノーツ

ずっと変わらない、井の頭公園の秘密の落ち着きポイント。そこにいれば、いつも魚や鳥が話し掛けてくる(気がする)。切ない夜はギターと缶ビールを持って月を見上げた。

ここで生まれて、同じ場所でレコーディングできて、『十五夜バタフライ』は喜んでいる、と思う。僕もなんだか嬉しい。録音日は、今にも飛べそうな強い風が吹いていて、気持ちよい夜だった。

収録曲③『田中のノリちゃん』セルフライナーノーツ


井の頭公園の池にかかる橋の上で録音。深夜になっても鳴き止まない蝉の声は年々、大きくなっている気がする。8年前はどうだったっけ、とあの子に聞いてみたい。

言葉になる前のモヤモヤとした気持ちは、水面に揺れる朝の光に似ているような気がする。美しいとこだけ掬い上げたような、まるで湯葉とか、コーンスープに浮かぶ薄いおいしいあれみたいでもある。

あの日、結局ノリちゃんは来なかった。運命の人に出会って苗字を変え、今も変わらず元気に暮らしているらしい。

2012年9月29日土曜日

収録曲④『敗走詩集』セルフライナーノーツ

僕の部屋は時間によって聴こえる音が違うので、一日中寝っ転がってても飽きがこない。そのせいか、ボーッとしていると、平気で月日が経ってしまう、という大変危険な物件となっております。

そんなこともあり、外に出かけることにした。昔、住んでいたアパートと近いこともあって、当時毎晩のように通った井の頭公園に再び行くようになった。

悲しい恋を中心にいろんなことを思い出しながらギターを弾いた。
当時作った曲を、ずっとお気に入りの場所で録音。

収録曲⑥『うるうる星人』セルフライナーノーツ

ひさしぶりの雨が東京に降った夜。
池の周りを歩いていくと、葉っぱに囲まれた休憩所のようなところがあって、小雨ぐらいなら何とか凌げる。葉っぱのルーフから零れる雨粒に頬を打たれつつ録音。
夜明けの水たまりが朝日を浴びてとても綺麗だった。

2012年9月21日金曜日

収録曲②『フォークダンス』セルフライナーノーツ

麦茶を飲んでいると、遠くで花火の音。急いでベランダに飛び出すと、風に乗って微かな火薬の匂いがした。ICレコーダー、名付けて"ツブツブホイホイ"のRECボタンをポチッと押した。

去年の12/24から始まった朗読劇『銀河鉄道の夜』。東北を廻ったツアーでは、ホールだけでなく、仮設住宅の集会所や屋台村など、様々な場所で主題歌『フォークダンス』を歌った。同じ歌のはずなのに、すべてが違って聴こえた。
それ以来、すべての音がかけがえない粒々のような、、そんな気がしてくる。東京に帰ってからも、ずっと、日々の粒々に耳を澄ましている、そんな気持ち。

明日、再び銀河鉄道に乗り込む。初日の夜は春ツアーと同じく大船渡の集会所へ、そして翌日から三日間の公演が続く。岩手、宮城、福島。どこか、ベランダで、またホイホイできればいいな、と思う。